こめかみや側頭部の頭痛には、顎関節症が原因となっていることがあります。
正確には、あごを動かす筋肉の一つである側頭筋の過緊張や「こり」による筋肉痛で起こる頭痛です。
診断として、こめかみや側頭部を押すと,押した以上に痛みを認めることから判断できます。
これは、無意識に行っている「くいしばり」や「歯ぎしり」によって側頭筋がこって痛みが出て頭痛となるためです。
ですから、マッサージをすると楽にはなりますが、黙っていて痛むほど筋肉がこっている訳ですから、簡単には治らないのは経験されていることでしょう。頭痛薬として鎮痛剤を服用して楽になりますが、治療としては側頭筋の「こり」を防ぐことが必要です。
しかし、原因となる「食いしばり」や「歯ぎしり」を止めることは難しいです。
それは、日常生活の中のストレスや偏った動作が引き起こしているからです。ですから、
口腔外科での治療、スプリントというマウスピースを使用してもらい「食いしばり」や「歯ぎしり」をしても筋肉がこらないように保護するのです。と言えば簡単ですが、あごの形態、かみ合わせ、歯並びにより一人一人調整が異なります。
今までの治療経験では、使用して数日で楽になる方が多いです。
頭痛がするのに、こめかみや側頭部の押したときの痛みを認めなかったり、大きく口を開けた時のあごの痛みや硬いものや「こし」のあるものを食べても痛みを認めないのであれば、脳神経外科や神経内科の頭痛外来を受診されることをお勧めします。
手前の骨の突起を引き上げて口を閉じる筋肉
側頭筋
こめかみや側頭部の頭痛となる
噛みしめることで、側頭筋が緊張して
筋肉痛が起こり、それが頭痛となる